この人が…
上原のお母さん?


この、威圧感バリバリの見るからにカタブツで髪の乱れなんて一本もなくキチッと後ろに結ばれた髪は団子に纏められ

少し尖ったキツメの眼鏡の奥の瞳は冷たくて


心の奥まで見透かされるような鋭さ…



コワイ…コワスギル…



こんなにコワイ人が
本当に上原のお母さんなのか?


「お帰りなさい。お母さん。」


「ただいま、凜。あなた、なんなの?その髪型は。
あなたには、真っ黒な髪が一番似合うって言っていたじゃない。

それに、眼鏡は?」


「はい……。コンタクトにしようと思って。」


「そう?まぁ~コンタクトはいいとして、髪は、どうして染めたの?」


「ちょっと…雰囲気を変えたくて…。

ダメ…ですか……?」


「……。」



無言の威圧感…。


親子なのに

どうして、敬語なんだ?