「はぁ…。」









ため息をついている私の側で、あの低い声がした。










「おはよう。」









私はその声の主の顔を確認したと同時に、心臓が飛び出そうになった。










「おっ…おはようございます!?」









顔も赤くなり、声も裏返り、どうしようもない私を見て課長は、ふっと笑った。








そして、そのまま何事もないかのようにフロアへと歩き出した。










そんな背中を見ながら、私は一人立ち尽くしていた。