オレンジ色の淡い光が窓から差し込む。

下校する生徒の雪を踏む音がどこか遠くで聞こえてくる。


バタバタバタ


「結帆!ゆ~ほ!!」


誰かが私を呼んでいた。


「ここよ、ここ!!」


声がするほうに体を乗り出すと、階段の踊り場に親友の真瑚が顔だけちょこんと出していた。



「駿夜がもうすぐ来るって!だから・・・頑張るのよっっ!!」



真瑚は指で大きく丸マークを作ると、風のように去っていった。



な、なんなの…あれは??真瑚なりの励まし方…?

…そんなこと言っても…もう心臓もたない…

私、相田結帆 13歳。
2009年2月14日。

とうとう告白します。




コツコツコツ


誰かが階段を降りてくる音が廊下にこだまして聞こえた。


足音はどんどん近くなってくる。


降りてきたのは…私の片想いの相手――――――