昔からの付き合い故にそんな思いが頭を掠めた。



「私、無理です。」


「そうか。
じゃあ、疾風をそそのかしてみるわ。」


「ええっ!?」



それは近いうちに疾風が…私に…。



キャーッと静乃は心の中で絶叫した。



そんな静乃を面白がって宗治は観察した。



「まあ、今日はこれで。」



さっさと用件を済ませた宗治はサッと立ち上がった。



「もう帰られるんですか?」


「ああ、用件は済んだしな。
また遊びに来てくれな。」


「はい。」



複雑そうに笑ったが、静乃は頷いて笑った。



宗治は満足そうに笑って、階段を下りた。



階段を下りるとすぐ横に伝蔵が待っていた。