紅き天

疾風は手を伸ばして静乃を受け取った。



「でも、疾風がこの人と結婚しちゃうのは嫌なの。」


「俺もお前がこんなボンと結婚するなんて死んでも嫌だ。
許さないし、許せない。」


「でも、静乃は返したから、契約成立だよ。」



照日の声にハッとし、静乃は急いで離れようとした。



「いい。
考えがある。」



疾風は静乃の耳元で言い、そのまま静乃の肩を抱いた。



「早く疾風から離れて!」



ヒステリックに花が叫ぶ。



「嫌だね、放さない。」


「私も離れないから。」



静乃はコツンと疾風に頭をもたせ掛けた。



「静乃。」



家光がようやく気を取り戻し、静乃に手を伸ばした。」



「やっ…!」


「お前、好きな女をなんでこんなに苦しませるんだよ。」



呆れて疾風は家光の手を叩いた。



一旦、手が引っ込む。