紅き天

心の中で、本当に大丈夫かと後悔しながら、手を伸ばす。



照日は余裕の笑みを見せ、静乃を抱いた腕を突き出した。



こいつらの方が人数的に有利だ。



俺が静乃を連れて逃げても、すぐに捕まえられると思っているんだろう。



実際、その通りだろうし。



ところが、静乃が照日の腕にしがみついてこっちに来ない。



「お、おい。」



俺だけじゃなく、みんな驚いている。



「静乃?」


「行かない。」


「は?」


「私がこのまま城で暮らす。
疾風はここでこの女の人と結婚しないで自由に暮らせばいい。」



俺は怒りで固まり、敵方は拍子抜けしている。



「お前は本当におかしな奴だな。」



照日は呆れて言った。



「花、お前よりコイツは一枚も二枚も上手だぞ。」


「うるさいなぁ。」



イライラと花は身体を揺すった。



「…静乃。」



もう知らねぇ。