紅き天

「返事が遅いと、女は…。」



暗闇から家光が現れる。



「家光に渡しちゃうよ。」



今まで大人しくしていた静乃が家光を見て暴れ出す。



「狐、いや、静乃。
迎えに来たぞ。」


「い、嫌…嫌…。」



震える身体でなんとか照日から逃れようとするが、照日は笑って押さえつける。



「嫌だッ。」



静乃!



どうしよう。



でも、本当に静乃が自由になるって保障はない。



どころか、このままこいつらの思い通りになるだろう。



「…まず、静乃を返してくれ。」



静乃は涙目で疾風を見る。



大丈夫、怖がらなくてもすぐ助けるから。



目でそう訴える。