紅き天

「母親がそんななら、子供がこうなるのも納得出来るわね。」


「あたしはこいつに育てられたことはない。
技術を教えられただけ!」


「師弟関係ならそれも納得いくわよ。」



ふん、と静乃は嘲笑った。



俺も納得出来る。



疾風はこっそり静乃に囁いた。



クスリと笑って、静乃は親子を向き直る。



「そういえば、どうして家康は私を気に入ると思ったの?
会っても何の反応も示さなかったらっていうことはなかったの?」


「勿論あったさ。
でも、一度覗き見させたら馬鹿殿はもう取り付かれたように…。」



照日は皆まで言わず、より一層静乃の肌を泡立たせた。



「静乃、俺は絶対お前と結婚するからな。」


「私も。
浮気したら命はないわよ。」



互いに確認しあい、二人は自分に惚れている相手を頭の中からかき消した。



もっとも、疾風の場合は目の前に座っているのだが。



「駄目だよ?
疾風はあたしのだから。」


「誰がいつてめぇのになるって言ったよ。」



疾風は目を怒らせて花に言い放つ。