紅き天

「つまり元凶はこいつってことか?」



疾風は照日親子を無視して静乃に尋ねた。



静乃はコクコクと頷く。



「最悪な奴だな。」


「あんまりだ。」



照日はもう一度その言葉を繰り返した。



「お前らのせいで俺らは大変な目に遭ってるんだよ。
つーかなんでお前は俺に惚れてるのに俺の命を危険にさらすよ。」


「疾風が弱ってるところにあたしが登場して、助けてあげようと思って。」


「何だよその下らない理由。」



疾風は毒づいて顔を覆った。



まったく理解出来ないその理論。



俺はイラついてる時に嫌な奴が来たら余計に嫌いになるがな。



「静乃、お前と家光も同じようにするつもりだったんだよ。
ところが、お前達いつの間にか正体をバラしあってくれてるじゃないか。
おかげで計算が狂った。」


「それはよかったわ。」



静乃は憎々しげに吐き捨てる。



「貴女達はどうしてそういう発想しかないの?
相手を傷つけて成り立つ幸せなんて、最悪だわ。」


「自分さえよければいい。
人間なんてそんなもんさ。」



照日は肩をすくめて言った。