紅き天

目を見開いて硬直する静乃とさっきとは打って変わって冷酷な花を見比べ、疾風は説明を求めた。



「どういうことだよ。」



口の端を吊り上げ、花は静乃を見据えた。



「教えてやろうか、あたしの出生。」


「貴方は誰なの。」


「花だよ。
照日の娘。
あの馬鹿な父親に取り入って散々情報と金を盗んだ挙げ句、あたしを生んで捨てた女の娘。」



ハッと花は短く息をつく。



「その後、あたしと接触もあった。
照日から誘惑の仕方や技術を教わったから確かなはずだったんだけど、その男、落ちないんだよ。」


「そうなの?」



静乃が疾風を向き直ると、疾風は頷いた。



「当たり前。」


「ムカつく。
でも、あたしあんたに惚れたんだ。
最初は演技だったけどね。

静乃、疾風はもらったよ。」



疾風は花の豹変ぶりにまだポカンとしている。



グイッと引っ張られて抱きつかれても、何も言わずされるがままだ。



「えっ、ちょっ、疾風?」



抵抗しないの?



そう訊くと、疾風はハッと我にかえった。



「放せ!」


「あん、つれない。」


「何があん、だ。
俺には静乃がいるから諦めろ。」



疾風が突き放すと、花は静乃を睨んだ。