紅き天

ところが、それは遠のいて行く。



怖くて後ろを振り向けなかったが、もう今はなんともない。



「静乃?
どうかしたか?」


「う、ううん。」



それでも疾風の身体から手を離せなかった。



いつ照日が戻ってくるか、わからない。



「大丈夫か?」


「うん。」


「なんで腹押さえてるんだ?」



疾風は確か、照日との接触はないはずだ。



話してもいいんだろうか。



静乃は悩んだ末、口を開いた。



「あのね、さっき二階に照日が来たの。
照日っていうのは、」


「私のお母さんよ。」



驚いて静乃は顔を上げた。



「私の生みの母。」



冷たい目で2人を見下ろした花が言った。