紅き天

「疾風!」



声が出る限り叫んだが、出たのは掠れた声だった。



「疾風!」



聞こえないのか、疾風はやって来ない。



ジンジンと痛む腹を押さえて、最後は転げるようにして階段を下りた。



「疾風!」



やっとまともな声がでた。



助けて…。



階段がドンドンと振動した。



照日が追いかけて来たんだ!



這うように廊下を進み、疾風がいるはずの居間に向かった。



衣擦れの音がして、顔を上げると、見たことのない人がいた。



「え?」



敵?



いや、どこかで見たことがある。