紅き天

な、と悪戯な笑みを見せ、疾風は静乃の返事を待たずに飛び降りた。



もうその頃には敵も構えていて、静乃も渋々飛び降りた。



「もうッ!」



疾風への苛立ちを一気に二人にぶつけた。



これであと二人倒せば静乃のノルマは終わりだ。



襲い掛かってくる刀を避け、静乃は後ろ手に回り、首に手刀を繰り出した。



崩れた男の持っていた刀で仕上げに突き、ラスト一人。



これがなかなか大変そうだ。



背は見上げるほど高く、がっしりとしている。



「小娘。」



倒れた仲間を見やり、男は歯ぎしりした。



「貴方達こそ、私を斬ったでしょう。」



ズキズキと痛んでいる。



「そうだった!」



すぐ近くで敵を殴っていた疾風は静乃の怪我を思い出し、思いっきり敵の首を捻った。



嫌な音に耳を塞ぎ、静乃は男に向き直った。



男はたった今倒された仲間を見ている。



どんな気分なんだろう、疾風も男達も。



一応同じ仲間で殺しあうのは。



いくら気に食わなくても、疾風の親は今まで仕えてきた宗治で、疾風にとって男達は部下だ。