紅き天

これほどまでに自分は殺し屋だったのか。



命令で体が動くほどに。



少し悲しくなりながら、静乃は構えた。



「お行き!」



妙の声で静乃は飛び上がった。



近くの足場を利用し、より高い位置から敵を狙う。



今は体術で勝負だ。



まずは指令を潰そう。



そうすればみんなバラバラになるはずだ。



誰がリーダーだろう?



「佐吉は残しとけ。」



隣から疾風の声がして静乃は心臓が爆発しそうなくらい驚いた。



「疾風!?」


「お前、俺も殺し屋だって忘れてるわけじゃないよな?」



そうだった。



そんなこと頭からすっかり吹っ飛んで、敵しか見えていなかった。



「ゴメン。」



やっぱ忘れてたか、と呟いて、疾風は片目をつぶった。



「静乃、お前は左翼やれ。
俺は佐吉達をやる。」


「駄目!
右翼に強いのが集まってるじゃない。」


「その強いのは俺達より格段に弱い。」