紅き天

えいっ、とお返しに脇腹を突く。


つつく、ではなく突いた。



「ぐおっ!
静乃ぉ。」


「私にあんな事するからよ。」



ふん、と鼻息も荒く立ち上がり、私は襖に近づいた。



「私、落ち着いたし、おじ様に挨拶してくる。
助けてもらってお礼も言っていないもの。」


「ああ、父様ならお前の家に行った。
基子さんに話でもあるんだろ。」



頬を膨らませて拗ねているアピールをしていた疾風はムクリと起き上がって言った。



「そう。
じゃあ、着替えとか取りに行こうかな?」


「家光がいるんだろ?」


「じゃあ、散歩に…。」


「夜にか?
さっさの今だろ。」



う〜、だってここから逃げたいんだもの。