紅き天

「ん〜…。」



猫みたいにコロンと頭を上向け、丸めの目で私を見つめる。



ああ、もう、大好き。



無意識に手が疾風の前髪に伸び、目に入りそうだったのを掻きやる。



「なんだよ。
俺に触ると火傷するぞ?」


「何その古い台詞。
萎えるわ…。」


「萎えるってなんだよ…。」



疾風は唇を尖らせて、私を睨んだ。



「だって、キザ男の台詞じゃない。
仮にも彼氏にそんな事言われたくないじゃない。」


「仮にもっていうのが余分だけどまぁいい。
機嫌直った。」



から、抱きつく。



とか言いながら疾風は私の腰を引っ掴み、力任せに横に転がした。



「キャッ!」



反射で受け身はとれるものの、くるとは思っていない攻撃にやっぱり心臓が縮む。



「おっ、綺麗に転けるな。」


「おっ、じゃないわよ!」