紅き天

「訊かなきゃわからない?」



悪戯に微笑んで見せると、やっと疾風は顔の筋肉を緩めた。



「よかった…。」


「キャッ!?」


力が抜けたらしい疾風がのしかかってきて、バランスが崩れる。



「静乃、お前はどれだけ俺の心臓を握り潰せば気が済むんだよ…。」


「疾風こそ。
私をどれだけドキドキさせれば気が済むのよ。」



起きて、と脇腹を肘でつつく。



疾風はなんとか起き上がろうとしたが、またフニャッと崩れた。



「疾風さ〜ん?
重いですよ〜?」



からかい口調で言ってみるも、笑い声さえ返ってこない。



「大丈夫?」


「お前があんまり可愛いこと言うから骨抜けた。」


「……ん。」



恥ずかしいことをさらっと言うから、私まで崩れそうじゃない。



「よっ。」



疾風の脇に手を差し入れ、コテンと横に転がした。



「重いよ…。」