紅き天

大丈夫、もう安心していいぞ。



そう優しく声をかけると、静乃は拳をきつく握った。



あ、わかった。



前、俺が泣き虫って言ったのを気にして我慢してるんだ。



あーくそ、なんであんな事!



疾風は頭をガシガシと掻き、言った。



「泣いていいぞ。」



それでも静乃は首を振った。



「肩、いいか?」



言葉少なに断り、ゆっくりと肩を抱く。



昔からこうすると静乃は落ち着くのだ。



「ちょっと嫌な話するな、静乃。
なんであの男に付きまとわれてる事俺に言わなかった?
確かに喧嘩したけど、あんな事になったなら言えよ。」


「だって…。」



小さな消え入りそうな声で静乃は言ったが、先は続かなかった。