紅き天

額に青筋を浮き出させた宗治は一旦店に引っ込み、疾風の首根っこをむんずと掴んで出てきた。



「疾風、このド阿呆が!
こんなのを見て落ち込むな。
奪いとるくらいの意気で突っ込め!
しかも明らか静乃嫌がってるじゃねぇか!」


「そうじゃ、さっさと助けんか意気地なし!」



いつの間にか出てきた基子に蹴られ、疾風は地面に転がった。



「静乃、こっち来い。」



宗治は驚いている家光から静乃を抱き取り、基子に渡した。



「悪いな、基子よ。」


「まったく、お前はどういう育て方をしておるのだ。
私の娘を汚しよって。」



睨みをきかせ、基子はもう一度疾風を蹴った。



「そのくらいにしといてくれや。」


「…これは情けじゃ。」



言うと、基子は疾風を引っ張って立たせ、静乃をドンッと押しつけた。



これにはうなだれていた疾風も仰天し、くったりとしている静乃を慌てて支えた。