紅き天

襖をピッタリ閉め、壁にもたれる。



ストーカーとは精神的に厳しいものだ。



そう思ってハッとする。



疾風もそうだったの?



おじ様は無理矢理の見合いだったと言った。



しかも、私が見た女の子と会ったのは昨日の事だったとも。



もしかして、疾風は今の私のように苦しんでたのかもしれない。



私との約束は破った事がなかった疾風だもの、きっとそうなんだ!



あの日、いきなり押し掛けられたに違いない!



そう結論が出るといてもたってもいられず、静乃はさっさ上がってきた階段を駆け降りた。



「父様、私、疾風の所に行ってきます!」


「待て!」


「外には家光が…!」



静乃の耳に両親の警告は届かず、もう草履をつっかけて出て行ったところだった。