とにかく恥ずかしい…鞄取って早く帰ろう。

あたしは素早く自分の机に向かった。



「……何読んでるの?」



前の席の本田君は何やら難しそうな本を読んでいる。



「……………」



答えてはくれないらしい。


――――パタン。


本田君は突然本を閉じて立ち上がった。



「じゃあ僕帰りますから」



そう言って本田君は自分の席の隣の開いている窓を閉めようとした。






――――――ブァッ…!



本田君が窓を閉めようとした瞬間、風が吹いた――。





そして……彼の……本田君の前髪が一瞬だけ、浮いた。