放課後になると彼氏持ちの咲は「デートなんだあ」と、すぐに帰って言った。

当然あたしは彼氏なんかいないわけで……好きな人すらいなくて……まったく青春できてない。



「部活にでも入ればよかったな…」


なんて独り言を言いながら教室に戻る。


放課後、ついにあたしは毎回の“プリント風に舞う”事件で担任に呼び出しをくらってしまった。



「もう日が暮れてるじゃん!
教室空いてるかな……。
あーあ、こうゆうときに彼氏とか好きな人とかいたらいーのに」



教室に戻る廊下で妄想を膨らませる。



「それでっ、彼氏が――」



教室のドアに手をかける。
どうせ誰もいないだろうと、思いっきり開いた。



「ぎゅーーーって!――…」



――――ガラッ。