やっと昼休み。
授業から解放される楽しみな時間。



「まーた怒られてたね、美姫は」


「……だって……あ!」



ヘヘンと笑って親友、中嶋 咲はあたしのお弁当からタコの形に作られたソーセージを1つ自分の口に運んだ。



「けどさー、美姫のせいで毎回先生に怒られる眼鏡君はかわいそうだねぇ」



咲は哀れなものを見るように前の席に座っている眼鏡く……いや、本田君を見た。



「あんたも小学生じゃないんだから学習しなよね!
プリント風に舞わせるの何回目!?
何の青春してるんですか?」


「ううっ……」



だってつい見とれちゃうんだもん、風に吹かれてなびく本田君の髪に……。



あたしの席は前から3番目の窓側。
今の時期は窓から眺める桜がとっても綺麗なんだあ〜!