コンコン 隣の部屋の兄・翔也の部屋。 ドアをノックすると、いつもの返事が返ってきた。 「入るよ。」 ガチャ 部屋に入れば、タバコの匂いが鼻をかすめた。 「また吸ったの?」 「おう、当たり前。」 ベッドに寝転がり、雑誌を読みながらアタシを横目で見る。 実を言えば、こんなアタシになったのは兄ちゃんのせい。 兄ちゃんが連む人たちも、族だったりする。 そんな環境の中、いつの間にかそんな兄ちゃんが格好いいと思い始めて。 …憧れを持った。