「なぁ、恵」



一樹と天使ちゃんこと、さくちゃんがお付き合いを始めて、間もなくのこと



二人は一緒に登下校しとるらしく、俺はっちゅーとほったらかしや



おもんない



やから、溜まり場の"カゲ"でおっさんと過ごす



何がおもしろくて、放課後をおっさんと過ごさなあかんねん



やけど、家に帰ったらお家のお手伝いが待っとるからあかん



出された炭酸に喉を鳴らしつつ、俺は視線を窓からおっさんに移した



「お前、桜ちゃんのこと好きだったろ」



ぶはっ



おっさんの一言に思わずジュースを吹く



や、だってもへちまもあるかいっ!



俺は誰にも…、タクマはアレやけど、誰にも天使ちゃんのことは言ってなかった













.