オーディンの頭部を背後に向け、肩越しにMk―Ⅱを見る。

「もうその機体では戦闘は無理だろう…グリフォンに帰艦して休め」

「真紅郎…」

悔しげに茜が言う。

だが彼女もAMパイロットだ。

機体の状況は把握できている筈。

仕方なくMk―Ⅱを転進させ。

「真紅郎、貴方…いい気になってんじゃないわよ?」

彼女は強気に言った。

「撃墜数を稼げたのも、シグムンドに対抗できるのも、そのオーディンのお陰なんだから。AMパイロットの腕は、私と互角か私の方が上なんだから」

「…?」

こんな時に何を言っている?

怪訝な表情をする俺に。

「この任務が終わって、帝重工の評価試験基地に戻ったら、また1から撃墜数の勝負よ。勝ち逃げで戦死なんて許さないからっ!」