クラスター爆弾をベースに開発された拡散グレネードランチャー『グラム』。

この兵装を装備する機体は、俺の知る限り1機しかない。

同時に。

「コンロット社の部隊に告ぐ。宗方泰山中佐の提案通り、投降しろ」

流星のようにスラスターの尾を引いて、1機のAMが戦闘宙域に出現した。

このAM、忘れる筈もない。

CAM-002 シグムンド。

パイロットは…。

「ミハエル…レイカー…!」

「…大した男だ、帝真紅郎」

噛み殺すような俺の声に、レイカーの冷静な言葉が返される。

「最早雌雄は決した。貴様ら国連軍の勝ち戦に変わりはない。だが」

レイカーの駆るシグムンド。

その手に握られた銃口が、俺のオーディンに向けられる。

「『暁の死神』か『真紅の閃光』か…その決着だけはつけねばなるまい…そうだろう?帝真紅郎!」