散々人の胸を隙あらば狙ってくる癖に、こうやってバカにしてくるんだもん。 思わず大声だってだしてしまう。 「そこまで言うなら見てみる? って言わんのか?」 「言わないよっ。晴天には絶対言わない」 はははっと笑いながらわたしの頭をクシャクシャと撫でた晴天の手。 左利きのそこから生まれる絵が、昔からわたしは大好き。 「後ろ乗せたる、カバン取って来い」 こう言って自転車の鍵をポケットから取り出して見せる。 多分、 つかみ所がないおバカな晴天自身も、わたしは昔から大好きだよ。