わたしの幼なじみは、わたしの何十倍何百倍も絵が上手な男の子だった。 彼は名のある画家をお祖父さんに持ってるってことと、お祖父さん譲りの訛り口調以外はどこにでも居る普通の男の子。 わたしたちが育った町は、海辺にある小さな町だった。 彼の絵は海を教室に、お祖父さんを先生に育まれた素晴らしい才能。 そして、わたしを笑顔にする魔法だった。