「…さぁて、もう用はないから帰るか。」

そんなことを1人つぶやきながら僕は教室を出ることにした。

(なんか呆気なかったな…)


実際自分にはあまり友達もいなかったため
別れの挨拶があっという間に終わっていた。


卒業式の定番?かは知らないが

好きな子に告白。なんてものは

へたれな僕には勿論言えるはずがなかった。


ましてやカッコイイわけでもないので


女子に呼び止められることも有るはずがない


もうここにいる必要がない

そう思ったから直ぐに教室を後にした。

…ただ、いさむが教室から出て行く姿を

たった1人ではあるが
淋しそうに見つめている女の子がいた…。


しかし、その視線に気付いた人は誰もいたかった…。