…そんなことを考えていると


丁度よく教壇の前を1人の男子生徒が通りかかる。


「…あ、曽我くん
記念に写真撮っていいかな?」



「お、いいぜ!かっこよくな!」


僕の問いかけに
そういって曽我くんは親指と人差し指を口元にだしてポーズをとった。
(あえて田舎チョキの構えと言っておこう)


カチカチカチッ!

フィルムを巻く音が鳴る


「それじゃ、撮るよ~!」


パシャッ!



「はい、もういいよ、ありがとね♪」


「おう!写真出来たら俺にもくれな。」



「…うん、わかった…」


僕は少し戸惑いながら返事をした


「じゃあ、またな!」


そう言って曽我くんは勢いよく教室を出て行った。


(…曽我くんごめん、本当は曽我くんじゃなくて
後ろにいたひとみちゃんを撮ったんだよね…
本当にごめんね…


でも、なんとかひとみちゃんに知られずに写真撮れたよ。

…多分これが最後だからね…

隠し撮りみたいだったけど…


まあいっか、帰りに現像していこ~っと♪)








ーなぜかいさむは幼なじみである
早坂ひとみには堂々と写真撮っていい?
と聞けなかったため
通りすがりの曽我くんを利用したのだった


(ハァ、出来れば横姿じゃなくて正面から撮りたかったな…)