横を小柄の少年が通り過ぎようとしたのに気がつき

『丁度良いところに通りすがりってくれた!トラ!!』

「なんや?ユーリ」

「誰?」

「ザクロのおとーとだよ」
『着物を着た紫の髪で猫目のやつ見なかったか?』

「あぁ―…あの変な兄ちゃんやな…?」

『何処に行ったか分かるか?』
食い付くようにユーリが聞いたため少しトラは後ずさりした

「ユーリん家のほうに―『サンキュー』
トラが話しているのを遮りユーリだけ走って行った

「ちょー!ユーリッ!!――行ってもうた…ちょっと前に姉ちゃんの依頼人も行ったっちゅうのにもう!!」

「「ッ!!」」

「やばッ」

とティラもユーリを追い掛けるように走りだした
その様子を見てトラは一人唖然としていた

「一体なんだったんや…?意味が分からん」