どの国にも属する事ない紫の瞳を持つ民。
もしも隣国が、反乱軍が…。その力を手に入れてしまったら。
そう考えた王は紫の瞳を狩ることを始めた。
手に入らない力であれば、それを消してしまえばいい。
そのように考えたのはこの国の王だけではなかった。
ちょうど国境(くにざかい)にあったその民の村は両国から攻め入られ、遥か昔に根付いたその土地を離れることとなったのだ。
活気があったその村は廃墟と化し、今では木々に覆われた深い森に変わっていた。
「しかし、これで終わったわけではなかった…。」
代々、その血が受け継がれるのと同じ様に語り継がれてきた話を、私は心の中で噛み締めながら話す。
「一度は散った民がまた集ったら。と思い始めた王は徹底的にその民を消そうと試みた。」
何百年も前の出来事が、ただ紫の瞳を持つと言うだけで私たちの生活を脅かす。
だから私たちは人目に付かないように、出来るだけひっそりと暮らし、回りに関わらない術を身に付けていた。
コルタは考え込む様に眉を顰め俯いていた。
ジンとアサガも伏目がちに難しい顔をする。
「…オルビナはその民を追う、追っ手に見つかってしまったのか?」
アサガの問いかけに私は頷いた。
もしも隣国が、反乱軍が…。その力を手に入れてしまったら。
そう考えた王は紫の瞳を狩ることを始めた。
手に入らない力であれば、それを消してしまえばいい。
そのように考えたのはこの国の王だけではなかった。
ちょうど国境(くにざかい)にあったその民の村は両国から攻め入られ、遥か昔に根付いたその土地を離れることとなったのだ。
活気があったその村は廃墟と化し、今では木々に覆われた深い森に変わっていた。
「しかし、これで終わったわけではなかった…。」
代々、その血が受け継がれるのと同じ様に語り継がれてきた話を、私は心の中で噛み締めながら話す。
「一度は散った民がまた集ったら。と思い始めた王は徹底的にその民を消そうと試みた。」
何百年も前の出来事が、ただ紫の瞳を持つと言うだけで私たちの生活を脅かす。
だから私たちは人目に付かないように、出来るだけひっそりと暮らし、回りに関わらない術を身に付けていた。
コルタは考え込む様に眉を顰め俯いていた。
ジンとアサガも伏目がちに難しい顔をする。
「…オルビナはその民を追う、追っ手に見つかってしまったのか?」
アサガの問いかけに私は頷いた。


