よろめいた拍子に足の力も殺がれ、その場に腰を抜かした。 ……何だアレ…… 夕闇染まる空に、じわじわと迫りくる恐怖が後押した。 ……目…… 地面を蹴るように起き上がり背を向ける。 ……見てた…… 決して振り返らぬように、その場所が死角になるところなら何処でも良かった。 ……こっちを…… 走った……無我夢中に駆け抜けた。