「たまには、実家にもちゃんと帰れよ?おばさん心配してるぞ」 「うん、わかった」 お兄ちゃん… 今ならその言葉がぴったりはまる。 昔は好きな人でもあったけど。 今も大好きだけど。 その好きはもう形を変えてる。 「じゃあ、またな凪砂」 あの頃は、あなたの一字一句があたしの胸を揺るがしたけど。 「またね、秋ちゃん」 ああ。と微笑んで頭に手をぽん、と置かれる。 あの頃はあなたの行動すべてに、心動いたけど。 なんて、穏やかだろう。 優しい風が吹いていくよう。