トイレから出ると、ドアの横から声が掛かった。 どうやら、待ち伏せされていたらしい…。 他にも女はいるだろう。 思わず、眉をしかめてしまう。 「これから2人で抜けない?」 サイアクだ、と思った。 『嫌だ』 『嫌です』 へ? あたしの声に重なった声。 あたしよりも全然低い…。 横を振り向いたら、男の人があたしと同じ状況にいた。 逆ナンだ…… 妙に感動していたら、その男もこっち向いていることに気付いた。 ……ドキンッ。 似てる…ちょっとだけ…。