その言葉が、葛西くんの優しさだと、わかってた。
葛西くんがバイトの仕事を、失敗したことなんて見たことがない。彼はとても、器用だから。
「凪砂さんも何か飲みます?」
「んー、じゃあレモンティーにしようかな」
そう考えて、財布から小銭を出そうとしていたら。
ガコン、と。
…缶が落ちる、音がした。
はい、と目の前に差し出されたのは……レモンティー。
「これじゃあ意味ないのに」
「いいんですよ。一応、凪砂さんにおごって貰ったんで」
にっこり、微笑まれるとどうも弱い。結局、受け取ってしまった。
手の内にあるレモンティーを眺めて、葛西はやっぱり年上キラーだ、と改めて思った。
缶を頬に当てると、冷たくて、気持ち良い…。

