――――でも実際に、着いたのは、やっぱり現実で。
人が集まるところから、少し抜けたところだった。
はあはあ、と久しぶりに走ったから息があがる。
こんなことで、息があがるなんて、自分ももう若くはないかもしれないな、と悲しくなる。
「…なぁ、もう離してくんねぇ?」
春の困ったような声が聞こえて、へ?と振り返ると……
あたしの腕は、春の腕にがっちりと絡まっていた。
驚いて、ばっと離してから、
「…ご、ごめん!必死で!!」
謝りの言葉を述べる。
恥ずかしくて、顔の周りだけ温度があがるのがわかった。
謝ったのに春は、無言のままだ。
途端、そんなに怒ってるのかな?と不安になり、
「春……?」
と、小さく呼ぶと。
「ぶっ、ははっははは!」
突然、春はお腹を抱えて笑い出す。

