「いや、いりません」 柔く笑うその顔は、とても優しげだった。 へ、へんに思われてないみたい…よかった…。と、小さく溜め息をついた。 「くくく。意外と鈍感なんだね」 「…え?」 いきなり、その人は小さく肩を揺らして笑い出した。 そして、あたしを見て楽しそうに微笑む。 「それとも、俺のプチ変装が完璧すぎたかなぁ?」 そう呟いて、ゆっくりととてもよく似合っていた眼鏡をはずした…。 「…あ!」 「覚えててくれた?」 にっこりと笑う彼。