「そうだね。2人の間には、違う時間が流れちゃってるから…」 「あー、そんなかんじです」 彼はひとこと言い、すっと消えたと思ったら…。 コーヒーのおかわりを注いでいた。 目敏い。お客さんが頼んでくる前に、いつもさっと動くんだよね。 「ごゆっくりどうぞ」 にこやかに笑う彼に、悲しさはまったく見えないから、正直今まで別れたなんて、気付かなかった。 もう、吹っ切れたんだろうか。 そんなの、本人しかわからないけど。 葛西くんの背中に、昔の自分を重ねずにはいられなかった。