「つーか、あいつ…秋一とキス、したことあるよな?」


「へっ?」


「何回?」



……なんでそんなことを知ってるんだっ!



―――あの海の日が、ぶわっと頭の中に甦ってくる。



「…え?いや、えーとっ…」


何回とかよりも、何故知っているのかの方が気になって、声にならない。



「まぁ、いいか。」



え?と思うのもつかの間―――キスが降る。

噛み付くように何度も何度も。



あたしのすべてを、奪っていくかのように――…。




そしてすぐに心も、彼は奪っていくんだろう。



それなら早く――奪ってと。




心の中で、何度も何度も叫んだ…。