いつもの教室
いつもの帰り道
いつもの空
こんな何の変哲も無い高校生活を過ごしてきた。

―――――あの日までは


私の名前は、相内 美月(あいうち みずき)。
私には、幼いころから仲良しだった友達がいる。
幼馴染の内田 大樹(うちだ だいき)は、誰にでも優しくて、かっこよく、小さい時から、モテモテだった。
小さい時から人見知りが激しかった私とずっと一緒にいて、大樹だけは私に明るく笑ってくれた。
私の隣には大樹がいる。
それがあたり前のようになっていた。

――――――そんなときの出来事
それは、中学一年生のときだった。
「お前さぁ、はっきり言わせてもらうけど、ウザいんだよ。」
ギャルのような集団に呼び出せれたと思ったら、この台詞。
「なんで、あんたみたいなのが大樹の幼馴染なの?」
『えっ!でも、私に言われても・・・」
ガンッ!
その時、頭が急に痛くなった。
髪をつかまれ、近くにあった柱に頭をぶつけられていた。
「うるせーんだよ。」
「ねぇ、こいつのこのダサい髪きってやろーよ。」
チョキチョキッ
「切られたくなかったら、大樹に会うのやめてくんない?」
『嫌です。なんで、あなた達に言われなきゃいけないの?』
「は?調子乗ってんじゃねぇよ!」
誰か、助けて!!!
「お前ら、何やってんの?」
誰?
振り向くと、息を切らして走ってきた大樹がいた。
「大樹!違うの!これは・・・」
「お前らさぁ、自分が何してるかわかってんの?今度やったら、ぶっ飛ばすぞ!」
「ご・・ごめんなさい。」
さっきの集団は、そう言って逃げて行った。
「美月!大丈夫か?」
大樹が心配そうに私を見ている。
『だ・・大丈夫。ありがとう。』
大樹はほっとしたようにして、言った。
「お前無茶すんなよ。つか、ついていくなよな。」
『ご・・ごめん。』
「まぁ、いいや。さ、いくぞ。」
『うん。』
ねぇ、覚えてる?
小学校の時も、ダサかった私はこんなことがあったよね。
その時も大樹は、息を切らして走って来てくれたね。
優しい大樹。
私は、そんな大樹が大好き。