SKY~伸ばしたその手の先~

男、男、男。
見渡す限り学ラン姿しか見えない。
え・・・ここって共学ですよね?
誰かに聞きたくなった。

親しい友人たちは皆知っているけど
私は男性が苦手。
一時期ほどは酷くないけれど
今でも肩が触れたりするだけで
寒気に襲われる。

それがなんでこんなところに・・・。

「あれ、もしかして相原先生ですか?」

横から覗き込むようにして
顔を見せた女性は
面接のときにお会いした先生。
ということは、やはりここであっているはず。

「あの、先生、ここは共学じゃ」

私の言葉に彼女は苦笑を浮かべながら言った。

「ああ、そうなんだけど偏差値低い上に生徒の評判もそれなりにだから
入ってくるのはほとんど男子生徒しかいないのよ。
この区域じゃ有名なんだけど、相原先生遠方からでしたっけ?」

そう、地元だけは絶対に嫌だった私はわざわざ県外を選んだのだ。
まさかこんな結末が待っていようとは。

「じょ・・・女生徒もいるんですね?」
「そうねぇ、二・三年生にはいるけれど学校にきてないから姿を見ることはないかもしれないわ。新入生は今年はなしよ」

女先生の言葉に絶望という振り仮名をつけたくなりました。
実質男子校と変わらないじゃないの!
言いたくても言えない。
言葉もなく呆然とする私の手をとって
「まぁ、中へ」
と女先生は歩き出した。

社会は厳しいってよく聞く。
けれど、こんな厳しさはいらなかった。