教室で1人、
 机に顔を伏せる栢山 奈保。
 
 奈保の手には1冊の本。

 部活の生徒はそれぞれの活動場所に行き、
 帰宅部の奈保は1人教室に残っていた。

 
 特に何かをするわけでもなく、
 このゆったりと流れる時間を教室で過ごしていた。


 暇だからと思い、
 途中まで読んでいた本も、
 つまらなくなりやめた。



 部活に入れば良かったと
 今さらになって後悔しているが、
 疲れること、
 面倒なことは避けたいがため、
 どの部にも入部はしなかった。


 周りの友達は、
 テニス、バスケ、バレーなど、 
 人気のある部活に入った。


 唯一、
 このクラスでの帰宅部は、あたし1人。


 恥ずかしい気もするけど、
 入ってないんだから仕方ない。



 __