刹那の咎



領主は咎を見ると、ニヤリと嫌らしい笑みを零した。



「美しい…。年はいくつだ?」

「十五でございます」

「ほぉ。いい女だ!!」





汚らしい男…!


咎は吐き気を催しそうになった。




けれどその気持ちを押さえ

愛らしい仕種で男に近づく。





「……領主様?」

「何だ?」



男は気味の悪い手つきで咎の大腿を撫で回した。






鳥肌が立った。


(ぶっ殺す……)







「……お願いが…あるんです」


「どんな願いだ?」





男の手が咎の股に伸びた。





その瞬間


男の顔が真っ青になる。







「……?…………!?」


「……死んでください…」






咎は満面の笑みで懐から取り出した小刀で男のうなじを刺した。







「…が…ッ……ァ…ア゙」




だらし無く開いた口から

ヒュッ、と音が聞こえ



男は事切れた。






咎は刀で男の首を切り落とし


部屋を出て、着物を脱いだ。





そしてそれに火を付け


屋敷の中に放った。










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