刹那の咎


翌日


小高い丘に、三人はいた。


「大丈夫か?咎」

「大丈夫だって。……てゆーか、その台詞、もう十回目なんだけど」




しつこく問うて来る刹に

半ば呆れ気味に咎は答えた。



呉も苦笑いをしている。



「くれぐれも慎重に動けよ!
油断は禁物だからな!
何かあったらすぐに助けを呼べ」


「……へいへい」

(そんなに心配しなくても…)



咎は不服そうに返事をして

マントの中の防御服に武器を忍ばせた。




「……よし!行ってくる!!」



柄にもなく緊張した様子で、咎は地面を蹴り上げた。



忍のような素早さで町一番の豪邸に忍び込む。



屋敷の中には美しく着飾った女中や、堅苦しい姿のお付きがいた。


気付かれないよう最新の注意を払って行動する。




いくら咎と言えど、この屋敷には人が多すぎるため

あまり派手に動けなかった。





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