刹那の咎



彼等は屋敷内の各自の部屋に行き

仕事着から着替えた。



そして再び広間に集まる。



まだ他の親族達は仕事や休息のようで

広間には咎、刹、呉の三人しかいなかった。




「…まだいがみ合ってんのか」

「別に」

「……わかった」

「何が?」

「次の仕事は、咎に任せる。
いいな」




呉は決心したように咎に向いた。


それには刹が食ってかかった。



「そんなの良いわけないだろう!
ダメだ、危なすぎる!!
俺は反対だ!」


呉は刹の反論を無視して、咎を見据えた。


「咎…お前はどうだ?
これはほぼ百パーセントお前の意志で決まる」




咎はちらっと刹を見た後

強い意志を宿した瞳で呉を見た。





「…俺…やる」


「咎!!」


「俺できるよ!一人でも任務こなせる!!
それに、いつまでも守ってもらってちゃ、足手まといになるだけだ!!」


「刹、咎の言う通りだ。
それにこれは一つの賭けだ。
もし、咎がこの任務で成功をすれば咎を一人前と認めてやる。
失敗をしたら、当分は刹の部下として動いてもらう。

危なくなったら俺達が助けに行けばいい話だ」