咎は頬を膨らませてそっぽを向き
刹は不服そうに目を反らした。
「兄貴は過保護すぎんだよ」
「刹はお前が可愛いんだよ」
「別に、可愛いわけじゃない!
危なっかしくて見てられないだけだ」
「可愛いんじゃんか」
結局咎と刹は言葉を交わさないまま
一族の住む館に着いた。
誰も立ち入らない森の奥深くに建てられた
日本家屋の趣のある屋敷。
彼等の家業には相応しい屋敷かもしれない。
屋敷横の倉庫の中には刀やナイフ等
物騒なものが所狭しと並べられている。
彼等の家業とは、依頼を受けて標的を殺める
いわゆる『殺し屋』だ。
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