幸せそうに笑う埜乃ちゃん。 「よかったね」 あたしはただ、そうとしか言えなかった。 「はい」 少し頬を赤らめて、嬉しそうな埜乃ちゃん。 また、皿洗いを再開させながら続ける。 「実は、佳奈さんも知ってる人ですよ―」 「え―!?誰?」 あたしは少し驚いて、聞き返す。 「まだ皆には内緒なんですけど」 そう言って、埜乃ちゃんが周りを見渡す。 誰もいないのを確認して、恥ずかしそうに口を開く。 「実は、ジュンさんなんです」 内緒ですよー、そう続けて笑った。