それから、ぽつりぽつりと拓海はこの半年のことを話し始めた。


怪我によって、大学の部活でレギュラーを外されたこと。


無理して練習を詰めて、さらに状態が悪化したこと。


自分自身の能力の限界を感じ始めて、そんなとき本来の夢を思い出したこと。


将来は地元で不動産の会社を独立で経営したかった拓海。


けど、大学のスポーツ推薦で入ったのは体育科。


そんな科では資格なんて取れないし、資格の勉強だって部活をしてたらままならない。


そして、思い切って大学を辞めたこと。


そのことは両親の反対を押しきっての行動だったこと。


とりあえず東京でこっちでしばらく暮らせる資金を貯めるために働いていたこと。


そして、来年の春からこっちで暮らし始めること。


小さな不動産会社で働きながら、資格の勉強を始めることができること。